【年頭ご挨拶】新しい年、本当に大切なことは

新潟混声合唱団 
団長 須田 隆

本HPの読者の皆さま、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

昨年は3月の東日本大震災、原発事故にはじまり、翌日の長野県栄村での大震災に続き、夏の豪雨災害、タイでも大水害と大変な年でした。災害に遭われた方々の避難生活、被災地の復興への道筋も徐々にではありますが整いつつあります。本当の復興にはこれから何年、何十年とかかるでしょうが、私たちは忘れることなく長い支援は必要と思います。

とは言え、私たちに何が出来るのだろうか、というのが災害が起こった時点からの疑問です。震災当時は何でも自粛で、花見も自粛、祭りも自粛、スポーツ大会も中止、などで、この非常時に華やかなことをすること自体が悪、というムードが強くありました。しかしその後は自粛するのではなく、活動することによって被災者を元気づけようとする機運が強く盛り上がって今に至っています。プロ野球でも復興に向けて「見せましょう、野球の力を」をスローガンに野球を通じて支援して行くという姿勢を明確にしました。この動きはサッカーでも同様に表明され、特に女子サッカーなでしこジャパンが、ワールドカップチャンピオンとなり実際日本中を元気にしました。
また、震災を契機に人と人とのつながり、助け合い、人が人を信頼しあう当たり前ともいえることが改めて大切なんだと気づかされました。

私たち新潟混声合唱団も災害のことは忘れることなく、日常の活動を続けてまいります。週1回の定例練習の他、強化練習や合宿で第42回定期演奏会に向けての活動です。昨年に引き続き今年も発声練習で団員の声の質をそろえることに重きを置いて曲作りを進めます。

今年は、アリエル・キンターナ作曲「Mass From Two Worlds」をメインに、石若雅弥作曲「混声合唱組曲・このみちをゆこうよ」など、歌い甲斐のある、聴き応えのある曲がそろいました。

キンターナの曲は2010年に発表されたミサ曲で、現代的なハーモニーとリズムが特徴ですが、現代的と言いながらその響きはラフマニノフのピアノ協奏曲のように甘美で、オルフのカルミナブラーナのように力強く感じます。聴く価値のある曲と思います。
石若雅弥さんは30歳と若い作曲家です。「このみちをゆこうよ」は、金子みすゞの優しいけれど本質をついた詩に石若雅弥がそれぞれにふさわしい曲をつけ、聴いている人の心を温かくします。
その他に、信長貴富編曲の、合唱曲としては珍しい「美空ひばり曲集」も取り上げます。古い曲ですが編曲のうまさも手伝って、歌ってみるとなかなか楽しい曲集です。

本格的な曲作りはこれからですが、合唱というのも一人ではできません。各パートの協力、支え、信頼があって初めて一つの曲が出来、お聞かせ出来るハーモニーが生まれます。本年9月の定期演奏会で皆様に満足いただけるよう頑張りたいと思います。ご期待下さい。

では皆様にとって今年が良い年でありますよう願っております。

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